遺品整理で捨ててはいけないもの15選|整理する際の注意点と保管のコツも解説
「遺品整理で何を捨てて、何を残すべきかわからない」「大切なものを誤って処分してしまわないか不安」
遺品整理をする際、このような悩みや不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
遺品整理では、誤って重要なものを捨ててしまうと、相続手続きに支障をきたしたり余計な手間や費用負担が発生したりすることがあります。したがって、遺品整理の際は、捨ててはいけないものは何かを把握し、慎重に進めることが重要です。
この記事では、遺品整理で捨ててはいけないもの15選を、4つのカテゴリに分けて詳しく解説します。また、遺品整理をする際の注意点や保管方法のコツもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

遺品整理を始める前の第一段階として、重要なものを誤って処分してしまった場合に、どのような問題が起こり得るのかを把握しておくことは大切です。
ここでは、捨ててはいけないものを処分してしまった際に起こりやすい以下の3つの問題を紹介します。
相続が発生したら、相続人は期限内に相続税の申告・納税を行わなければなりません。相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内、故人が亡くなる直前まで所得があった場合の所得税申告は4ヶ月以内です。
相続手続きに必要な書類を処分してしまうと、これらの期限に間に合わなくなるリスクが高まります。
期限を過ぎると延滞税や加算税が課されるだけでなく、本来受けられるはずだった特例や控除が適用されなくなる可能性もあるため注意が必要です。
相続に直接関係しない場合でも、契約の解約や各種手続きに必要な書類を処分してしまうと、再発行や代替手続きのために、何度も金融機関や役所へ足を運ばなければならないことがあります。
場合によっては弁護士や司法書士への依頼が必要となり、手間だけでなく予定外の出費が発生することもあります。
レンタル品や仕事関連の貸与品だと気づかずに処分してしまった場合は、賠償金を請求されることがあります。
遺品整理では、すべてが故人の所有物とは限らないため、「レンタル品や貸与品が含まれているかもしれない」という意識を持って、慎重に進めることが重要です。

遺品整理の現場では、多くの遺品を前に、残すべきものと処分しても問題ないものを仕分けていく必要があります。そのためにも、「何を捨ててはいけないのか」をあらかじめ知っておくことで、うっかり処分してしまうリスクを防げます。
遺品整理前に、以下のリストを確認しておきましょう。
■遺品整理で捨ててはいけないもの15項目
【法的に重要】
【手続きに必要】
【価値があるもの】
【思い出の品】
|
以降の章から、それぞれの遺品を捨ててはいけない理由と捨ててしまった場合に起こり得るケースを具体的に解説します。
これから遺品整理を行う方は、ぜひ参考にしてください。

相続手続きや法的な義務に直結する遺品は、特に慎重な取り扱いが必要です。これらを処分してしまうと、手続きが大幅に遅れたり、法的トラブルに発展したりする可能性があります。
注意点についても、確認しておきましょう。
遺言書は、故人の最終的な意思が記された法的に最も重要な書類であり、遺産分割の方法が大きく変わります。
遺言書には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、特に自筆証書遺言は自宅保管が多いため注意が必要です。
なお、発見した遺言書は、勝手に開封してはいけません。家庭裁判所で検認手続きを受けずに開封してしまった場合、無効にはなりませんが、5万円以下の過料が科される可能性があります(公正証書遺言を除く)。
また、エンディングノートには法的効力はありませんが、故人の希望や重要な情報(口座情報、友人の連絡先など)が記載されていることが多く、遺品整理を進める上で貴重な手がかりとなります。
遺品整理を始める際は、遺言書とエンディングノートがないかを最初に確認しましょう。
保管されやすい場所:仏壇、神棚、金庫、書斎の引き出し、本棚、貸金庫、公証役場、法務局
遺品整理で出てきた現金は、相続財産に含まれるため、発見したらすべて申告が必要です。
遺品整理で現金を見つけたら、勝手に処分したり使ったりせず、「現金」と書いた封筒などに入れてまとめて保管しておきましょう。
申告漏れが発覚した場合、追徴課税の対象になる可能性があるため注意が必要です。
通帳・キャッシュカード・印鑑は、相続手続きを円滑に進めるために必ず保管すべき重要な遺品です。相続では故人のすべての口座と残高を確認する必要があるため、これらがないと手続きが大幅に遅れてしまいます。
もし誤って捨ててしまうと、どの金融機関に口座があったのか一から調べ直すことになり、大きな手間が発生します。
また、相続手続きの完了後に、故人の口座凍結を解除して預貯金を引き出す際にも、故人の通帳とキャッシュカードが必要です。
印鑑に関しても、解約や名義変更に必要になる場面があるため、通帳とセットで保管しておきましょう。
株券、投資信託、国債、社債などの有価証券は、相続財産として評価され、相続税の申告対象となります。
証券会社からの郵便物や取引報告書、パソコンのメール履歴などから証券口座の有無を確認できる場合があるため、「証券関連」と思われるものを見つけた際は、たとえ古いものでも一旦保管しておきましょう。
確認すべき書類:証券会社からの郵便物、取引報告書、配当金の通知、株主総会の招集通知
土地や建物の権利証(登記識別情報通知)は、相続登記に必要となる重要書類です。
権利証を紛失しても不動産の所有権自体が消えるわけではありません。しかし、司法書士などの専門家への依頼が必要になる場合があり、その分余計な費用がかかってしまいます。
ほかにも、固定資産税納税通知書、不動産売買契約書、賃貸借契約書など、土地や不動産に関する書類を見つけた場合は重要書類として保管しておきましょう。
生命保険や医療保険の証券は、保険金の請求に必要な書類です。保険金は受取人固有の財産となるため相続財産には含まれませんが、相続税の課税対象となる場合があります。
また、未支給年金の請求や遺族年金の手続きには、年金手帳が必要です。再発行は可能ですが、手続きに時間がかかるため、遺品整理中に見つけた場合は大切に保管してください。

各種契約の解約や名義変更には、特定の書類やカードが必要になります。これらがないと手続きに余計な時間がかかったり、不正利用のリスクが高まったりします。
どのような手続きに、何が必要なのかを把握しておきましょう。
運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなどの身分証明書は、返却や廃棄が必要な重要書類です。放置すると、悪用によるなりすまし被害につながる恐れがあります。
不正利用を防ぐためにも、確実に返却・処理しましょう。
クレジットカードは、発見したらできるだけ早く発行会社に連絡し、解約手続きを行いましょう。放置すると年会費が引き落とされ続けるだけでなく、不正利用のリスクもあります。
また、電気・ガス・携帯電話などの支払いに故人のカードが登録されている場合もあります。家族が引き続き同じ住所で暮らす場合、カードを解約すると支払いに影響が出ることがあるため、解約前に重要な支払いに使われていないか必ず確認し、必要に応じて登録カードを変更しておきましょう。
公共料金、携帯電話、インターネット、新聞、定期購読サービスなどの契約関連書類には、契約内容や契約番号が記載されているため、解約手続きをする際に役立ちます。見つけたら捨てずに必ず保管しておきましょう。
なお、サブスクリプションサービスの契約状況を把握するには、クレジットカード明細をチェックするのが有効です。解約漏れを防ぐためにも、明細書を見つけた際は、必ず保管し、サービスの解約手続きも進めておきましょう。
金庫や貸金庫の鍵は、中に重要な書類や貴重品が保管されている可能性が高いため、絶対に処分してはいけません。
金庫の鍵を紛失すると、専門業者に依頼して開錠する必要があり、数万円から十数万円の費用がかかることがあります。貸金庫の鍵を紛失した場合も、銀行で手数料がかかります。
机の引き出しや書類棚の鍵も、重要書類が入っていることがあるため必ず保管しましょう。すべての鍵は一か所にまとめ、どこの鍵かわかるようにラベルを貼って整理しておくと安心です。

古くて価値がないように見えるものでも、実は高額で売却できたり、所有権が他者にあったりするものがあります。金銭的な損失や賠償責任を避けるために、処分前に必ず確認しましょう。
金・プラチナのアクセサリーや宝石、骨董品、ブランド品は、高額で売却できる可能性が高い品目です。壊れたアクセサリーでも金属としての価値があり、古いブランド品もヴィンテージとして高値がつくことがあります。
また、切手・古銭・美術品などは、コレクター市場で思わぬ価値を持つケースもあります。状態に関わらず、まずは専門家の鑑定を受けると良いでしょう。
レンタル品やリース品を誤って処分すると、商品代金を賠償請求されることがあります。
【レンタル品・リース品の例】
介護用ベッド・車椅子・浄水器・ウォーターサーバー・空気清浄機・インターネットルーター、家具付き賃貸の備え付け家電、趣味用品など
処分前に契約書や機器のシールを確認し、必ずサービス会社へ返却手続きを行いましょう。
会社から貸与されているPC、携帯電話、制服、社員証などは企業の所有物です。勝手に処分すると、損害賠償や情報漏洩につながる恐れがあります。
また、業務上で使用した顧客リスト・契約書・業務資料なども返却しなければなりません。
貸与品とまとめて一か所に保管しておきましょう。

故人との思い出が詰まった品々は、一度処分すると二度と取り戻せません。後から“やっぱり捨てなければ良かった”と後悔しないように、迷ったら「一時保管」しておくことをおすすめします。
写真やアルバムは、故人との思い出が詰まったかけがえのない遺品です。デジタル化が進んだ今でも、紙の写真には特別な価値があります。
手紙や日記も、故人の人柄や生き方を知る貴重な記録となるため、独断で処分せず、親族と相談してから判断することが大切です。
年賀状や手紙も、遺品整理の初期段階では捨てずに保管しておきましょう。特に近年の年賀状には、差出人の住所や連絡先が記載されており、生前の交友関係の把握や訃報の連絡、生前お世話になった方へのお礼など、さまざまな場面で役立ちます。
また、手紙の中には故人の大切な約束事や遺志が書かれていることもあります。遺品整理が落ち着くまでは、すぐに処分せず保管しておくと安心です。

遺品整理で重要なものを分別しても、保管場所を忘れると再び探す手間がかかります。
以下、必要なときにすぐ取り出せる保管方法をご紹介します。
遺品整理では、「これは捨てていいのか判断できない」という物が必ず出てきます。迷うものを無理に処分してしまうと、後から必要だったと気づいても取り返しがつきません。
そこで、迷った遺品はすべて一時保管用の箱にまとめておくのがおすすめです。
【一時保管箱のポイント】
相続手続きが落ち着いた頃に改めて確認すれば、冷静に判断でき、不要なトラブルも防げます。
重要な遺品は、一か所にまとめて保管するのが基本です。場所が分散すると紛失しやすく、探す手間も増えます。そのうえで、カテゴリ別に分類しておくと、1か所に集約しても後から見つけやすくなります。
【分類方法の例】
クリアファイルなどにラベルを貼るだけでも、整理が格段に進むのでおすすめです。
固定の場所に保管しておくのが難しい場合は、「保管場所リスト」を作成し、何がどこにあるのかを第三者が見てもわかるようにしておくことをおすすめします。
GoogleドライブやDropboxなどのクラウド上に保存しておけば、離れて暮らす家族とも情報を共有できます。

ここまで、「捨ててはいけないもの」や「保管のコツ」をご紹介してきましたが、日常の忙しさの中で遺品整理を慎重に進めることは、決して簡単な作業ではありません。
遺品の仕分けに不安がある方や、遠方・体力面などで作業が難しい方は、遺品整理のプロに任せることも有効な選択肢です。
専門の遺品整理業者は、豊富な経験から「捨ててはいけないもの」を正確に見極め、通帳・印鑑・貴重品などの重要な遺品も丁寧に仕分けて保管してくれます。
特に「遺品整理士」が在籍する業者であれば、法律やマナーを守りながら作業を進めるため、遠方からの依頼でも安心して任せられます。
宮城県内で遺品整理士のいる遺品整理業者なら、エコリサイクルがおすすめです。

エコリサイクルでは、遺品整理士による貴重品の丁寧な仕分けや買取による費用削減、遺品供養まで一括対応しています。仕分けから処分・清掃まで任せられるため、重い作業の負担を大幅に減らし、安心して遺品整理を進められます。
ここでは、実際に遺品整理業者であるエコリサイクルに遺品整理を依頼された方の事例をご紹介します。具体的な作業内容や費用の目安としてご参考ください。

| 間取り | 3LDK |
| 作業内容 | 遺品整理/不用品買取/簡易清掃 (内覧可能な状態へ) |
| 作業人数 | 5名 |
| 回収料金 | 126,500円(税込) |
| 買取 | 切手・藤崎商品券など8点(-17,600円) |
| 費用合計 | 108,900円(税込) |
遠方にお住まいのK様より、仙台市太白区にあるご実家の遺品整理をご依頼いただきました。売却予定のため、内覧できる状態まで整える必要があり、限られた滞在時間内での作業をご希望されていました。また、通帳・売買契約書・物置の鍵も探してほしいというご依頼もありました。
当日は5名体制で作業を行い、予定時間内に整理・買取・清掃まで完了。お探しだった通帳・契約書・鍵もすべて発見でき、K様にも大変安心していただけました。
遠方にお住まいの場合や、ご自身で作業が進めにくい状況でも、このようにスケジュールに合わせて対応可能なケースがあります。

| 間取り | 2LDK |
| 作業内容 | 遺品整理/生前整理/ハウスクリーニング/お焚き上げ供養/介護施設へ引越し/エアコン取り外し撤去/給湯器取り外し撤去/風呂釜取り外し撤去 |
| 作業人数 | 5名 |
| 回収料金 | 220,000円(税込) |
| 買取 | 商品券・装飾品など6点(-55,000円) |
| 費用合計 | 165,000円(税込) |
東京にお住まいのO様より、仙台市泉区中山のご実家について、お父様の遺品整理とお母様の生前整理をあわせて行いたいというご依頼をいただきました。お母様が介護施設へ入居されるタイミングで、整理・クリーニング・引越し・設備撤去まで一括で進めたいとのご希望でした。
当日は5名体制で作業を行い、遺品整理・生前整理・ハウスクリーニング・お焚き上げ供養・引越し・設備撤去まで予定どおり1日で完了。作業中に見つかった貴金属は買取査定により費用の削減にもつながり、O様にも大変喜んでいただけました。
ご高齢のご家族がいる場合や、遠方から頻繁に通うのが難しい場合でも、遺品整理と生前整理をまとめて進められるケースがあります。
遺品整理で大切なものを誤って処分してしまうと、相続手続きの遅れや余計な手間や費用負担につながることがあります。この記事でご紹介した15項目を参考に、重要な遺品は慎重に扱いましょう。
遺品整理の分別に不安がある方や、遠方で時間が取りづらい方は、遺品整理士が在籍する専門業者に任せるのも安心です。
宮城県内で遺品整理をご検討の方は、エコリサイクルへぜひお気軽にご相談ください。
エコリサイクルでは、残すべき遺品の仕分け、貴重品の買取、不用品の処分、簡易清掃、介護施設へのお引越しまで、お客様のご要望に応じて柔軟に対応可能です。
見積もり・相談は無料です。まずは下記のページよりお気軽にご相談くださいませ。